SSブログ

真田丸『前夜』 [テレビ]

ただひたすら、辛い回でした。
大坂城に入ったときからずっと
「私は勝つために、ここに参ったのです」
「負ける気がしないのです」と
ずっと言い続けていた信繁が、ついにその言葉を口にしなくなった。

もう一切の勝算はない。


では信繁なぜここにいて、何のために生きているのか。
それは信繁自身の口からではなく、敵陣にいる上杉景勝の口から語られました。
「あの男は、私がそう生きたいと願った生き方をしている」と。
つまり、義のために生き、義に殉じること。
それが『真田丸』の真田信繁の最後の戦いなのだと思いました。

ひたすら家康の命を狙うのも、
もうそれが無為であることはわかった上で、
敢てそうしているのではないかなあと思います。
父・昌幸と妻・お梅の無念を晴らすためには秀忠の命ではダメ。
仮に秀忠を討つ事ができたとしても、家康の跡継ぎはいくらでもいるし
もう幕府の体制は整っている。

結局のところ「豊臣家を存続させるため」に家康が引き出そうとした譲歩を
秀頼が肯んじ得なかった時点で
信繁の「豊臣の家を守る」誓いも虚しいものになってしまったと言わざるを得ません。
豊臣家を守る義は尽き、自分の力で動かせるものではなくなってしまった。
そうなればあとは戦って死ぬしかない。

なんかものすごく悲しくなりました。