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PLACE [バレエ]


M.バリシニコフ&A.ラグーナ 「PLACE」 [DVD]

M.バリシニコフ&A.ラグーナ 「PLACE」 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • メディア: DVD



バレエにカテゴライズしましたが、
厳密に言えば、コンテンポラリーダンスです。
但し、抽象的な内容ではなく
ごく普通の、老いた男女がともに過ごす場所と愛情の描写 ですね。
最初は少々ぎこちなく気まずい状態になってた二人が
やがてとても親密にお互いに見つめ合いながら愛を交わします。
って言ってもえっちな描写はないです。

互いにきちんと見つめ合うことに勝る愛はない、と思いました。
んー、だって、相手のこと見てない人多いですもの。

女性が眠りについてから、なぜか荒ぶる男性。
ここの映像がなんか
『レクイエム・フォー・ドリーム』みたいな感じで
ちょっと怖かったです。
精神的な揺らぎとかそういうものを表現していたのだろうか…。
「違う、こんなんじゃない」だったのかなあ。

男性が眠りにつくのと入れ替わりに目覚めた女性も深刻な表情で踊ります。

やがて男性も目覚め、
エレクトリックフィドルが奏する激しい音楽の中
今度は結構荒々しい、
心ではなく身体で交わる感じの交情の後
二人は舞台の中央に、
(おそらく家庭を象徴していたであろう)テーブルを天地逆に
置き直して去っていきます。

…何をしているのかはわかった。
でも、どういう物語だったのかはわからなかったなあ。
ごくありふれた日常であるなら、物語は別に必要ないかもしれないけれども。
しかしなんというか
自分が大人になった後も
おじいちゃんになったミーシャを見ることになるとは思わなかったんで
ごく普通におじいちゃんになっちゃってるミーシャが踊っているのを見ると
不思議な感じがしました。

ヒーローでもなく、王子でもなく。
60代の男性として、そこにいる。
知ってる人だけれども、知らない人のようでもありました。

あの役のミーシャを見るのは初めてだったせいかもしれません。